P夢の、続きを叶えました。
ザンザスが落ちるのが怖いだなんて初めて知った。
俺はそのスリルが楽しいと思うほどには慣れている。
落ちる瞬間に撮られてた記念撮影の引きつった顔は俺だけのものだ。
誰にも見せたくないから買わなかった。
リゾート地を出た後も、この魔法が一生続けばいいと思った。
耳に、頭に、胸に、告げられた言葉が響く。
ザンザスが車を発進させて家に着くまではとても長くて、でもあっという間だった。
家の前に車が止まる。ザンザスはシートベルトを一旦外して、後部座席へ積んだお土産を身体を捻って取ってくれた。
早く言わなきゃ、今言わなきゃ。分かっているのに言葉が出てこない。
告げられた言葉が信じられない。
触れた唇の感触が信じられない。
それは、ザンザスを信用できないからじゃなくて、まだ夢と魔法の中に居るのではないのかと疑ったからだ。
乗りたいアトラクションに全て付き合ってくれた。
お土産を眺めた端から籠に入れようとするから大変だった。
渡された土産袋を握り締める。
俯いたまま、言ってはいけない。
顔を上げて、真っ直ぐ相手の目を見て、
「俺、ザンザスさんのこと――好きです」
見上げた男の顔が微笑んだ。
手が伸びて髪を撫でられる。
窮屈な車の中で今度は自分から乗り出して、その唇へ口付けた。
少し、狙いを外した。
でも、
「ゆっくり休め」
耳へ囁かれた声は甘い。
「おやすみなさい」
車の降りて家に向かう。
振り向いて、手を振ったら振り替えしてくれて、それから車は発進した。
夢と魔法が起こした奇跡なんかじゃない。
自分で掴んで、叶えた――初恋だ。
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ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
もう一度、ハグをしていただきますと、おまけ。が有ります。
お付き合いくださった皆様に愛を込めてハグをお返しします。
紺青 龍
おまけ。/back